昨年の個展が終わってから
肖像画の依頼があり引き受けました
肖像画の実績から言いますと
平成13年に全日本肖像美術協会に出品いたしまして
新人賞をいただきました
しばらく協会とかかわり肖像画も何点か制作しました
その後指示した先生から君は手を出しすぎ
と言われました
確かにそのころ本業のアニメーション、肖像画
豊島園での似顔絵、イラスト、油絵
いろいろ手を出していました
虫プロはまだやめたくなかったので
アニメと油絵以外は封印しました
しばらくして会社を辞め油絵1本となりました
あれから20年たちました
指示した先生はいなくなってしまいました
作品の方向性はつかめるようになりました
今回縁があり、少数のみ描いてみようと思いました
まずは写真撮影
自然光で絵に適した天気の日にスマホで撮影
10枚ぐらいの中から1枚を選択
プリントアウトしてレイアウト決め
レイアウトが決まったらなぞって形を描き写す
形を具体化していく中でバックの方針を考える
似せることを考えずしわとかの形を追う
左手からの光なので顔の左を暗く右を明るく描き人物を浮き出させる
ここらあたりからグレージングなどを使用して
画面全体を整えていく
散々苦労して完成
ここまで丸10日かかりました
アップ
額に入れて完成
依頼元の写真
元の写真一枚だけでは鼻とか黒くつぶれてしまって描けないと思い
追加写真を撮らしてもらいました
今回の肖像画は写真を見ながら作成しました
プリントアウトしたものでは色味が分かりにくく
パソコンとスマホの画面を見ながら作成しました
細かいところまでわかるのですが仕上げの段階になってくると
パソコンの画面はライトの光での画面
キャンバスは布の世界
絶対一致するわけはなく陰影の調整に苦しみます
リアル系の方の苦労を思い知りました
写真を写すだけという簡単な作業ではないなと思いました
似せるということにも苦労しました
似顔絵の簡単なレベルでは到底なくて
目や口は線一本で雰囲気が違ってきてしまいます
大変な根気がいるなと思いました
個展まじかではありましたがいろいろと勉強になりました
依頼者の方ありがとうございました
さて肖像画も終え個展の作品に専念しようと思います
今回側近の落書帳の絵を載せましたが
自由に描けるようになったのもアニメの仕事を
やっていたお陰だと思っています
虫プロでアニメの仕事をしていた時のお話です