彼の晴れ舞台
創作作品を見に来た彼女、とても嬉しそう。
大作初期の作品 制作過程
最初、構想は決まっていたが描く素材は何もなかった
モデルもいないので本屋さんに行って写真集をあさった
そしたらあった
矢田亜希子写真集の中に白黒だけど何かを見ているようなポーズがあった
その写真集を買った
それから壺
これは奇抜な新作発表みたいなイメージがあったのでいろいろ見て回ったが
ピンとくるものがなかった
仕方がないので自分で作ることにした
ねんど買ってきて自作した
背景は公園に取材に行き写真を撮った
100号(163cm×133cm)と大きい作品にするつもりだったので
リアルな人物を大きく描く自信はなくスライドプロジェクターを買った
投影して下書きをとった
元の写真は白黒だから色は適当
ツボは絵の主役となるので力強くなるよう心がけた
バックの緑はスライド投影して下書きとったが人物やつぼの邪魔にならないように位置を調整した
油絵タッチの粗さは当時いろいろな展覧会を見に行って自分が好きだと思うタッチにした
まだ100号という大きさに慣れていなくていろいろな手段を使った
油絵を描くのに写真を使うのは良くないという声もあったがこの作品では
イメージが明確にあったためそれを表現するためなら何を使ってもいいのではないか
という考えだった
日展系の一水会に入選し展示してもらえたが
絵の先生方々の意見は分かれた
ストーリー性があって面白い
いやストーリー性はない方がいい
松田はアニメーションの世界で映画を作る仕事をしていた
それで油絵の世界で独自性を出せたらと思いあえて盛り込んだ
それが油絵の世界では芸術的には低く感じる意見があった
芸術的ってなんだろうな
いまだによくわかんないけど
物語のワンシーンでは感じ取るものを限定してしまい
心の深みがでないってことか
自分としてはただ、ただ
彼女の喜びを描きたかった