• アニメーター兼油絵家

    絵の基本手順を覚えよう!

    目に見えるものを線で表現

    3次元の世界を2次元の紙に線で表現できなければいけない

    どういうこと??

    3次元の世界とは私たちが目で見ている空間で、ほとんど面で構成されている。それを紙である平面に擬似空間を作るということである。手描きアニメの場合流れ作業になっていてアニメーターの次は色塗りになって面表現になるが  動画マン原画マンはすべての世界を線で表現しなければいけない。絵のスタートはアニメーターに関係なく幅広く線で表現

    絵を描く観察とは面と面の変わり目のはじっこをとらえていき、線をひろい出し相手の形を写すことだ。

    さっそくやってみよう

    用意するもの

    丸いコップ

    スケッチブック

    えんぴつ

    する気

    上の写真用意したってことはコップをかけってことだろう

    そう、当たり、コップをかけってことだけど今回は

    超初歩! 

    いきなり写真の角度でかけとは言わない

     

    上から見てかいて

     

    あっ、態度変わった

    ばかにするなーーーって

    そんなもん簡単にかけるわー

    かくルールがあるぞ

    かくのはコップのうわっつらだけ、厚みも無視、皿はかかない

    ーーってことはただのまるじゃん

    そう!ただの丸をかくのだけどコンパス定規とか道具を使わずに円をかいてほしい

    かく大きさはじっさいのコップのふちの大きさを目で観察して正確に写しとってほしい

    コップをあてがってかいたらまったく意味がない。スケッチブックも回転させないでそのままの方向で

    さあ、スタート

    下書き

    なんども見くらべて大きさ写しとってほしい

    カンペキ大きさが一緒ってぐらいに

    えんぴつの線は下書きなので力を抜いてかいて

    画用紙にキズがいかないようソフトに

    消しゴムはじゃんじゃん使ってちょうだい

    最初にがしがし力強くかいちゃうと線が消えないよ  一本の線を残すよう消して

    丸の形がくるってると思ったらどんどん直して

    あくまで正円の大きさは実物と同じだと思ってかくこと

    だいぶできたかな?

    松田も実践してるよ

    かきながら写真撮ってる

    だいぶできたと思ったらスケッチブックを回してみよう

    回転解禁!

    あれれ(・3・) ゆがんで見える

    あんなに丸くかいたと思ってたのに

    人の目はなさけない。と知ったところで

    ぐるぐる回して直していこう

    んでもって一本の線にしていこう

    下書きできた!ぜったい正円

    つぎに清書

    下書きにそって1本の線で強くかこう

    このときは紙にめり込んでもいい。あくまで正円を正確にかく気持で清書すること

    下がき通りでも形がゆがむので正円、正円と思いながらかく

    かけた!正真正銘定規コンパス使わず松田はかいたぞ

    コップをかぶせて

    なぞる

    オウマイガット!

    かさならない

    正円はかけてると思うけど大きさが違う

    実演した松田はショック!

    最初にあれだけ見くらべておんなじ大きさだと思っていたがこんなにずれてる

    人間の目はやっぱりなさけない。

    松田がなさけないのか

    挑戦した人はどうかな?

     

    この練習はどんな意味があるんだ?

    この今回の一連の作業をどうやってすすめていったかそれを

    頭の中にたたきこめ

    観察

    簡略

    比較

    清書

    この4つのことを頭でしっかり意識して絵をかこう

    ひとつずつ思い返してみよう

    観察

    ほう、このコップは上から見るとまーるいんだな。パースも真上から見ると関係なくなる

    ナナメから見ると楕円形だ。形も複雑だ

    簡略

    いろんなものが見える上っつらの円とコップ底の小さい円、ふちの厚み、陰影

    ふちの円以外全部無視、簡略化する

    ということは正円をかけばいいと頭で形を理解する

    比較

    コップと比較するとともにかき進めた線とこれから引いていってる線を見くらべて補正していく

    清書

    最後にこの線だと決めていく仕上げ

    この一連の作業が基本中の基本なのだ

    どんな複雑な形と対面しようが手順さえ守れば絶対かける

    絵のかき方を学ぶということは人間の特性をしっかりと把握することでもある

    人間が一回見て受け取れる情報は悲しくなるくらい少ない。いやそんなことはない 人の顔は一瞬で誰かわかるし景色を見ても山、ビル、畑すぐ特徴を言える。でもそれはものすごいスピードで視覚と脳とでいったりきたりを繰り返して情報を取得している。よくテレビでパッと1秒写真を見せて間違い探しをするゲームがあったりするが0.5秒0.1秒と時間が短くなっていくと発見がむずかしくなる。一度で記憶する量はきまっているからだ。         絵は、かく時えんぴつ1本で線1本ずつしか引けない。いっぺんに2本も3本も引ける人はいない。いたら人間ではない。                                                パッと対象を見て形を覚えて1本線を引く。少しでも複雑な形をしていると覚えることすらできない。でも受け取れる情報量に見合った形なら写せる。そう、丸や三角、四角だったらかけるぞ。今回丸をかいたのは、記憶する量でいったら最低限かも知れない。まだまだ複雑な形は覚えられるぞっていう人はいるかもしれない。          だけど今回の正円、かいたからってお金もらえるわけではないし、誰かほめてくれるわけでもない。それでも真剣にやったかな?前回のページで松田がプロの世界に飛び込んだ時に動画の線がきれいすぎてとても引けなかったという話をしたがプロの実践レベルはとっても高い。                               ドラえもんの仕事をした時に視聴者はなんとも思ってなくて見ているだろうけど、かく側はあの丸い頭をフリーハンドでかいている。雲形定規を使ってかいてもいっこうに構わないがドラえもん専用の雲形定規なんてない。1枚かくだけならいいが何枚もかくわけだから合う形を探すのがまどろっこしくなってくるし。線と線のつなぎ目がかみ合わない。消して調整してるより、最初からフリーハンドの方が結果的に早い。もちろん最初からきれいな円はかけないから、かけるようになるまでえんえん練習するしかない。かけなきゃ無収入だ。生活がかかってる                  まあ、プロになってからでも遅くはない話だけどそのときあたふたするよね。松田がそうだったから。ただ、今これからの人はそれを見越して練習する人としないとでは、のちのちの差が出てくるよね。練習時間が持てるなら精一杯真剣にがんばろう

    今回はこのぐらいで

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     


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